コンジローマ。ならないためと、なった時の治療法~レーザー?凍結?~

2018/03/29

コンジローマ。
筆者もなったこと、あります。
風俗で働く女性に常につきまとうのが、性感染症でしょう。
多くの店舗では月一程度の性病検査を義務付けているかと思います。

クラミジア、淋菌など数多くある性感染症の中で、今回はコンジローマについて取り上げることにします。

コンジローマになったらこうなる!

細菌さて、コンジローマ。
これは、ヒトパピローマウイルス(HPV)という、人にのみ感染するウイルスの一種によって引き起こされるもの。

100種類以上あるこのウイルスのうちの一部がコンジローマを引き起こします。
尖圭コンジローム、と呼んだりもしますね。
これに感染してしまうと、膣や性器付近、肛門付近に大小様々なブツブツが出来てしまいます。
性器の外側、つまり大小陰唇に現れた場合。

これは触ればすぐにわかりますし、身体が柔らかければ直接見て、その存在を認識できるはずです。
が、厄介なのは膣の中に出来てしまうパターン。
そもそもこのイボ、痛くも痒くもないので、見えないところに出来てしまった場合、全く気づかないのです。
しかももっと厄介なのが、潜伏期間です。

感染したからといってすぐにイボが現れるわけではなく、約3週間~8ヵ月程、イボが現れない潜伏期間が存在するのです。
そうした潜伏期間中や見た目に気付かないイボがある状態で男性器に触れ、男性に感染。
そしてその男性から別の女性に…。
そうして広まってしまうわけですから、単にイボと言って侮れないのがこの性感染症です。

さらに侮れないのが、放置してしまった場合。
やがて悪性のウイルスとなって、大きな病気の原因になってしまう可能性があるのです。
男性で言えば、陰茎癌。
女性は子宮頸癌となってしまう、恐ろしいイボなのです。

また、コンジローマになっていると、HIVへの感染率が10倍上高まるという報告もあります。
コンジローマになってしまったら、有無を言わさずすぐさま治療をしなければ、命の危険すら引き起こしてしまいます。

感染を未然に防ぐことは可能?

盾まずはこのコンジローマが自分にうつらないことが第一ですね。

ではそもそも何が原因で感染してしまうのでしょうか。
セックスの際、皮膚や粘膜に出来た小さなキズにウイルスが侵入することで、このイボが人から人へとうつっていきます。
オーラルセックスも同様、つまりフェラチオやクンニでもうつってしまうのです。
まれに口内や唇に感染してしまい、そこが感染源となって広まってしまうこともあります。

感染率も非常に高く、統計によるとパートナーの3人に2人の割合で、9ヵ月以内に感染してしまうそうです。
常連のお客さんに置き換えて考えてみましょう。
毎月来てくれている常連客の3人のうち2人に、9回目の接客までに感染してしまう計算です。
そう考えるとかなりの感染率・・・ですよね。

ではどうしたら感染せずにいられるのでしょうか。
単純に言ってしまえば、性器に触れる段階でスキン(コンドーム)を着用すること、です。
しかし、それも完全ではありません。
スキンで覆える範囲よりも広範囲になってしまっている場合があるからです。

つまり、一番の安全策は、疑わしきとは交わらないこと。
これに尽きます。
男性のコンジローマの症状も女性と同じで、性器に大小様々なイボが発生します。
が、男性器も人それぞれ、そして発生する場所も一箇所ではなく、見た目で「あ、コンジローマじゃないか?」
とわかる方もいれば、そうでない方も当然いるわけです。
前述したように、潜伏期間の可能性だってあるのですから、もう、疑わしいなどと判別することすら困難ですね。
もし万が一、コンジローマを放置してカリフラワー状になってしまった重症患者でも来ようものなら、偉い人に即「この人性病です!」と助けを求めましょう。

これは女性の身体を守るための権利ですし、お店側にも女の子を守る義務がありますから。
少し脱線してしまいましたので、話を戻します。
1人の男性としか性行為をしない女性なら、もしなってしまったら感染源はその相手ですし、判明したら2人同時に治療をすればそこで完結です。
しかし、風俗店ではそうはいきません。

不特定多数の粘膜と触れ合わなければならず、感染してもそれに気づくまでに期間があるので、感染源の特定は不可能でしょう。

なんとしてでも治療!自分のためにも、相手のためにも

治療うつってほしくないと思っていても、注意していたとしても、残念ながらうつってしまった場合は、一体どうしたらよいでしょうか。
治療は一般的には、電気メスを用いてイボを焼き取るか、レーザーや液体窒素で1つ1つのイボを除去していきます。

イボに直接塗る薬もあるのですが、こちらは毎日塗り続けなければならず、しかも時間がかかってしまい、長期間塗っても取りきれないこともあり、尚且つ正しく扱わないと正常な皮膚に副作用が出てしまう可能性もあるので、非常に扱いが難しい薬です。
ちなみに筆者、冒頭に書いたようにコンジローマに感染した経験があり、治療は液体窒素での凍結療法でした。
レーザー治療の場合はイボの周辺に局所麻酔をしますが、凍結療法は無麻酔状態で行います。
マイナス195度の液体窒素を含ませた綿棒を直接イボに押し付けて壊死させるので、相当痛みが伴う治療です。

痛くてしかも、レーザー治療よりも再発の危険性が高いと言われている、凍結療法。
もっときちんと調べてレーザー治療をしてもらえばよかった、と思いました。
再発しなかったのが不幸中の幸いですね。
そう、再発、です。

コンジローマは再発率が高いことでも知られています。
4人に1人が3カ月以内に再発している、という統計もあるほど。
なぜ再発してしまうのか…なぜなら、電気メスで切っても、レーザー等で除去しても、それはコンジローマの症状として発生するイボがなくなるだけで、潜んでいる原因ウイルスまでを完全に消し去ることができないからです。
免疫力が低下するなどした時に、それまで姿を消し身を潜めていたウイルスが、再び活動を始めてしまう。

これがコンジローマ再発のメカニズムです。
ですので、治療後も再発していないか、だいたい3カ月を目安に、定期的に診てもらう必要があります。
もちろんこの期間中はセックスなどの粘膜や皮膚の触れ合いは控えなければなりません。
たとえイボができていなくても、100%再発していません!と医師が判断してくれなければ、安心なんてしてはならないのです。

風俗店で働いていれば、いつ直面してもおかしくない問題、コンジローマ。
性交歴を持つ女性のうち60~80%は、一生に一度は感染すると言われているほど、女性にとってごく身近な性感染症です。
特に若い女性に感染者が多く、年々その患者数は増加傾向にあります。
一般の女性と比べてはるかに感染の機会が多い風俗嬢にとって、コンジローマはすぐ近くにある問題だ、ということを忘れてはなりません。

そして、命に関わってくることだ、ということも。
感染しないのが一番ですが、もしもなってしまったら…!とにかくまず治療、です。
それは女性としての自分のためでもあり、風俗嬢としての自分のためでもあります。
そしてもちろん、大切なお客さんや、彼氏さん、旦那さんにうつさないためにも。

この記事を通して感染経路や症状を知っていただけることで、少しでもそのお役に立てればと思います。

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