ヌードモデルのお仕事の実態とお給料を詳しく紹介します
2018/03/22
ヌードモデルとは画家のデッサンや、カメラマンの被写体になる仕事としてよく知られてます。
しかし、名前はよく聞くけど実際に目にしたり、体験者から話を聞いたりすることはほとんどなく、何となくでしか実態は知らないのではないでしょうか。
そこで、ヌードモデルのアレコレについて公開します。
ヌードモデルの原型はアカデミックにあり
代表的なヌードモデルのお仕事といえば画家や彫刻家のためのモデルです。
教科書に載るような歴史の名画といわれる作品の中にもたくさんヌード画があります。
当然、そこに描かれているヌードモデルが存在したわけですね。
では、ヌードモデルがお仕事みたいに認知されたのはいつごろからでしょうか。
日本の美術研究では最も古くて最高の権威がある東京芸術大学。
その前進である東京美術学校は明治20（1887）年に創立され、現在でも東京芸術大学の油画専攻は55人の定員に対して毎年1000人以上は受験するという最難関のコースです。
この学部でヌードデッサンが始まったのが明治29（1896）年からと記録されています。
当時、女性のヌードモデルを探すのが困難だったらしく、初めて名乗りをあげてモデルをした女性に高額の報酬が支払われたため、話題を供なって世間一般にヌードモデルの名前が広がったといわれています。
美術大学の授業で行われるヌードデッサンは厳密なもので、正確なカタチを描くことが目的とされているためモデルの全身部位（男性のアソコも！）の長さをすべて計ることもあるそうです。
現在では、ヌードモデルを必要とするお仕事は多岐にわたっていますが、デッサンなど純粋な美術に必要とされるヌードモデルの仕事は、とても真剣なものであるということは知っておきたいです。
ヌードモデルのお仕事の全体像を把握する
ヌードモデルの仕事を探す前に事前知識として知っておきたいことは、「モデル」に2種類あることです。
1つはヌードデッサンやカメラの撮影会のようにモデルの裸はあくまでも被写体の素材として活用するだけで、仕事を発注する側は美術学校など私的な人たちによるものです。
もう一つはあなたがタレント扱いされ、撮られた写真や描かれた絵が広告宣伝などの商業ベースに使われること。
当然に後者の場合は露出のされ方がまったく違うため、ギャランティは高額になります。
ヌードモデルといえば、私的なヌードデッサン的な仕事だと思い込んでしまっているため、仕事現場に行くと話が違う、という危険もなきにしもあらずです。
自分を撮った写真や描かれた絵が商業的に使われないか必ず確認しましょう。
かなり高い報酬が提示されている場合は商業モデルだと考えてください。
ヌードでのデッサンや被写体モデル
美術学校の授業や、美大生によるグループから依頼されるヌードデッサンのモデルのお仕事が、一般的によくいわれるヌードモデルのことですね。
現在ではモデル探しはモデル事務所に依頼すること主流になっています。
グループが小さくなるほど個人的なつながりでヌードモデルをお願いすることもありますが、その辺はケースバイケースといえます。
モデル事務所を通して仕事を受けた場合は、主催者が支払った報酬額の全額が手元に入るわけではありませんが、事務所のサポートが受けられるため安全に仕事ができます。
絵画のヌードモデルは実働時間が長くても2時間ぐらいで終わるため、バイト代はそれほど高くありません。
一般的なバイト代として時給3000～5000円ぐらいが相場といえます。
写真家やプロになりたい写真学校の学生によるヌード撮影会もよく開催されます。
カメラマン数人によるグループや、撮影スタジオが主催するパターンもあります。
写真のヌードモデルの場合は、絵画と違ってポージングの自由度が高くかなり身体を動かしたり、撮影背景のシチュエーションを変えたりと撮影会の時間も長く行われ、拘束時間は3時間から半日以上と幅が広いです。
そのため時給よりも日当2万円～3万円を基本相場に支払われるのがよくあるパターンです。
写真撮影の場合は、ハッキリと顔が写り本人であることが分かるため、絵画よりヌードモデルとしてのハードルが高いといえます。
そのため主催者はモデル事務所を通してヌードOKの女性を手配することが一般的です。
仕事を続ける内にヌードモデルとして評判が高くなった女性には、仕事依頼が直接に来るようになります。
ヌードモデルは意外なことに体力仕事です
実はヌードモデルは裸になるよるよりも、もっとキツイことが待ち受けています。
ヌードモデルの基本、絵画のデッサンを例にあげると、人間は身体の構造上、同じ姿勢を長時間保てないのです。
ヌードデッサンの仕事は実働2時間ほどで終わりますが、それはモデルが休憩をはさみながらでも同じ姿勢をとれるのが2時間ぐらいが限界だからです。
おおよそ20分に一度は5分ぐらい休憩しますが、身体が痺れます。
椅子に座って足を組んだポーズだと足が重なる下方の足や、体重が乗るお尻の片側は、硬直して痛いほどです。
慣れないうちは時間が経つのは長く感じるうえに身体の痛さは増す一方でヌードである恥ずかしさはすぐに飛んでしまうほどです。
そして、その真逆が写真撮影のヌードモデルです。
写真撮影の場合はカメラマンがひとつひとつポージングを指示してくれることはありません。
モデルはシャッター音が数回聞こえるたびに自分でポーズを変化させていくのです。
「寝て、立って、座って」などの大まかな動きはカメラマンが声を出してくれますが、細やかな動きはすべてモデル次第。
そのため、写真集などをたくさん見て、身体のポージングから顔の表情まで様々なパターンを記憶して真似できないとモデルはできません。
カメラレンズを向けられた中で、求められたシュチエーションに合うポーズや表情などを考えながら身体を動かすことはかなり難しく体力も使います。
いまではちょっと変わったヌードモデルもある
現在ではインターネット時代らしいヌードモデルも存在します。
それはモデルとなる女性が、オリジナルのファッションで自分自身を表現しSNSなどで発信している場合です。
いわゆるコスプレイヤーもその中にカテゴライズされます。
コスプレイヤーは服装を着てますが、SNSを通じて変身した格好での撮影会を開いたり、逆にカメラマンから撮らせてほしいと依頼をされます。
それと同じで、自身をオリジナルファッションのアイコンとしてモデルをしている女性のなかには、ヌードも可能としている人が少なからずいます。
この場合は、撮りたい側からのリクエストに合わせてモデルするのではなく、あくまでも自分を撮りたい人を募集しているため、美術のデッサンモデルとは正反対の立ち位置になります。
当然、報酬は女性自身が決められますね。
インターネットが自分らしいヌードモデルをやりたい女性に好条件の環境をつくっています。
ヌードモデルは3つの危険を意識して仕事をする
とくに女性がヌードモデルをする場合は、やはり危険回避を常に頭に入れて仕事をするべきでしょう。
危険性の第1は「主催者」、第2は「現場」、第3は「自分の肖像権」です。
仕事の依頼は主催者から発注されますが過去の実績や身元確認などは基本的に必要です。
第2の現場は、学校の教室やレンタルスタジオなどで行われるなら問題ないですが、現場に個人宅を指定された場合などは避けるべきです。
第3の自分の肖像権は、自分がモデルとなった写真や絵画が一般社会に公開されることがないかきちんと主催者側に確認しましょう。
一度、ネット上に出てしまうとゼロにするのは不可能です。
上記のような3点を避けるためにも、初めて仕事するときは実績あるモデル事務所を通すことで危険を回避できるはずです。
ヌードモデルは真剣でクリエイティブ系なお仕事です
モデルの絵を書いたり写真を撮ったりする側は、当たり前ですがとても真剣な創作活動をしています。
お金を払ってモデルを雇っているわけですから、その短時間で自分のアートな技術を発揮しようとモデルであるあなたを熱い眼差しで見るでしょう。
ヌードモデルもそれに応えて、いいポーズを取ろうと真摯に向かいあいます。
そのようなクリエイティブな側面が、本当の意味でのヌードモデルの醍醐味といえます。