東京都知事と性風俗業界規制の関係とは
小池百合子都知事が就任して以来、歌舞伎町などの風俗街に対して何らかの規制が入るのではないかとよくニュースになっています。
そもそも東京都知事が変わることによってなぜ性風俗産業に対して規制が入るなどのニュースがでるのか、わからない方も多いでしょう。
そこでこの記事では東京都知事と性風俗業界規制の関係についてわかりやすく解説します。
なぜ東京都知事と性風俗業界規制に関係があるの?
歌舞伎町や吉原など、日本でも有数の風俗街が密集している東京は、日本だけではなく世界からも風俗街として注目されています。
そして世界中に性風俗産業は存在するとはいっても女性に対する人権侵害や差別などの問題が常に議論されています。
だからこそ日本の中でも特に生風俗産業を営んでいる人が多い東京が、性風俗産業にたいしてどのような政策を行うのかということが世界中から注目されています。
東京が風俗に対してどういう規制をするのかというのが、いわば日本全体の性風俗産業への向き合い方だと捉えられるのです。
そして東京都知事は性風俗だけではなく東京のあらゆる政策を決定する立場にある人です。
就任した都知事次第で性風俗への規制が一気に強まる可能性もあるため、東京都知事が変わるとその度に性風俗産業規制についての議論が活発になるのです。
実際ここ数十年で就任した東京都知事の性風俗への取り組み方について解説します。
石原慎太郎元都知事は風俗規制派
石原慎太郎は1999年に東京都知事に就任し、以降13年間も東京都知事をつとめました。
石原慎太郎は歴代の東京都知事の中でも特に性風俗産業への規制を厳しくした都知事として知られています。
特に有名なのが2004年から始まった「歌舞伎町浄化作戦」です。
今でも歌舞伎町は繁華街として非常に有名ですがその当時の歌舞伎町は繁華街というよりも風俗街として有名でした。
今のようにさまざまな風俗店があるという点は同じですが、ヤクザなどの裏社会とのつながりを持っているお店が非常に多いと言われていました。
また、違法就業している外国人の風俗関係者も非常に多くて、治安の悪化が問題視されていました。
そんな歌舞伎町を一気に取り締まり治安を回復させようとしたのが歌舞伎町浄化作戦です。
石原都知事は警察の協力などを仰ぎつつ、多くの違法風俗店を廃業まで追い込み歌舞伎町治安がよい街に変えたと言われています。
その成果については賛否両論があり、結果として地下に潜ったぼったくり店が増えてしまったという評価もあります。
少なくとも当時は一般人が立ち入るにも勇気が必要だった歌舞伎町が、現在では多くの若者が気楽に入り込める地域になったという意味では浄化作戦は成功したと言えます。
猪瀬元知事と舛添元都知事は比較的寛容だった
石原慎太郎が都知事を辞めた後に都知事に就任した猪瀬直樹と、そのあとに就任した舛添要一は、風俗に対してほとんど新たな政策などを行わなかったので比較的寛容だったと言えます。
この二人が都知事として働いている頃は風俗に対して新たな規制が制定されることもなく状況が大きく変化することはありませんでした。
もちろんこの二人が、風俗に対してどちらかというとあまり規制しないという方針をとっていたという面もありますが、オリンピックなどもない時期だったので、特別な規制がされなかったとも言えます。
小池百合子東京都知事は性風俗を規制強化する?
現在の都知事は2016年に就任した小池百合子東京都知事です。
実は小池百合子東京都知事は風俗に対してかなり厳しい規制を行っていくのではないかと取り沙汰されています。
その理由には以下のようなものがあります。
東京オリンピックに向けて風俗が一掃される可能性は高い
そもそも小池百合子都知事が風俗に対してどういう取り組み方をするかという問題より以前に、2020年のオリンピックを控えて日本全体として海外に対して恥ずかしくないように風俗への規制を強くするという風潮があります。
上で解説したとおり、そもそも東京は世界からも注目されるほどの都市な上に、オリンピックまで開催されると会って大きな注目を集めています。
このタイミングで東京都知事に就任した以上、何らかの規制を行わない方がむしろ海外からの批判を強めてしまう可能性があり、性風俗産業への規制はほぼ間違いなく行われると言われています。
小池百合子の地盤は風俗が多い池袋だから規制はしない?
小池百合子氏の政治家としての基盤は池袋が含まれている東京10区です。
基本的に政治家にとって一番重要なのは自分に票を入れてくれる地元の人たちです。
池袋が含まれるということはその中には性風俗産業に携わっている人もたくさんいるということになります。
だから性風俗産業への規制を強めてしまうと、そういう支持者が離れてしまう可能性があるので、小池百合子都知事はあまり風俗の規制に対して積極的に取り組まないのではないかという意見もあります。
確かにそういった面があることは事実ですが、東京都知事として就任した印象は何の対策も行わず地元の人のことだけを考えるような政策をすることはできません。
小池百合子都知事の地盤が東京10区だからといっても、性風俗への規制がないというような考えは甘いと理解しておきましょう。
小池百合子東京都知事はかつて「トルコ風呂」の改名に関わっていた
現在では日本で唯一本番行為が認められている風俗店のことをソープと呼びますが1990年頃までは「トルコ風呂」という言い方をされていました。
そもそもトルコ風呂とはハンマームという、トルコの公衆浴場のことです。
トルコ風呂には長い歴史があり、長い間抑圧されてきた女性が裸で交流を深めることができる場所という意義があります。
なぜ日本でソープの事をトルコ風呂と呼ぶようになったのかは定かではありませんが1960年頃からトルコ風呂という名称が使われるようになり、それ以降は「トルコ」とまで略されるほど一般的な言葉として浸透しました。
しかし風俗店の事を「トルコ」いう国名で呼ぶことに対して、1980年代末頃からさまざまな方向から講義が入るようになりました。
そのような問題に対処するために今のソープに当たるお店の名称を変更しようという動きが日本でも起こりました。
その中で中心的に活動していたのが実は小池百合子氏なのです。
小池百合子氏がこの活動に積極的に関わったのは、トルコとの国際関係を良くするためなどのさまざまな理由がありますがいずれにしても性風俗産業に対して何らかの働きかけをする経験を持っているということです。
もちろんトルコ風呂という名称をソープに変更したのは、性風俗産業の規制というよりもトルコとの国交関係を重視するための政策という意味のほうがはるかに強いです。
しかし、そのような経験が都知事として性風俗産業として関わる時に活用される可能性は高いと言えるでしょう。
まとめ
東京都知事と性風俗産業規制の関係について解説しました。
この記事で紹介したとおり、東京は性風俗産業が盛んな街として世界的にも有名で、しかも2020年のオリンピックを控えているので大きな注目を集めています。
これまでも石原慎太郎都知事が歌舞伎町浄化作戦を実行したという実績があるため、東京都知事の政策次第では性風俗産業への規制が強化される可能性があると言われているのです。